Q.16 洗濯表示が変わったように……
A.16
洗濯取り扱い表示は家庭用品品質表示法という法律で定められていて、この法律が改正され2016年12月1日に施行されました。
以降、製造販売される商品は製造者・販売者が、輸入される衣類については輸入業者が新しい洗濯表示を取り付けることが義務づけられました。
絵表示の方法も定めが有り、JIS L0217の規定からJIS L0001に変更されました。
以前の表示方法が定められたのが1976年でしたので、現状にそぐわなくなったのが変更の理由です。
例えばJIS L0217の規定は日本独自のものですが、衣料品の流通が国際的に盛んに行われ、国際的な標準(ISO規格)に沿った表示方法に替える必要があったわけです。
日本だけでなく各国がバラバラな表示を続けていると、それを手にして困るのは消費者の皆さんですから。
この変更によって絵柄のデザインが替わっただけでなく、新しく加わった絵柄もあります。
一例を挙げると○にWの表示は業者による水洗いを示し(一般にウェットクリーニングと呼ばれます)、従来の絵柄は消費者向けであったものが、新たに確実に専門業者へのメッセージともなったのです。
また、△に斜めの2本線が入ったものは、塩素系漂白剤は使えないが酸素系漂白剤は使えるというものです。
考え方にも大きな変化がありました。
従来の表示は私たちクリーニング業者の立場から考えると、余りに製造者の過剰防衛と思えるものでした。
洗濯によって何らかの異変が起こったときに製造者の責任が問われる恐れがないように、あらかじめ保険を掛けておくようなものだと思っています。
例えば、綿100%の夏のブラウスが水洗い×であったりします。汗なんかかかないで、と言っているようなものですね。
今回の変更では、この点も改善されました。
JIS L 0001には序文が設けられていて、その序文には「この規格は、繊維製品のケアの表示に使用すること、繊維製品の洗濯などの取扱いを行う間に回復不可能な損傷を起こさない最も厳しい処理・操作に関する情報を提供すること」と記載されています。
つまり、適当にいい加減な表示ではいけない。もっとも厳しいと考えられる試験を行い、確認の上で表示しなければいけないと書かれています。
力強い表現です。守って欲しいですね。